こんにちは、齊藤健一郎です。
ガジェット好きの方なら、海外のほとんどのスマホは、スイッチでシャッター音のオンオフを切り替えることができるということをご存知かと思います。
スマホのシャッター音は通信事業者の自主規制
一方、日本では痴漢による迷惑防止条例違反の問題もあり、通信事業者たちの自主規制によって携帯電話のシャッター音が鳴る仕様になっています。多くの国では、スマホカメラのシャッター音は「無音」ですが、お隣の韓国では2004年から65デシベル以上の音が鳴るように韓国情報通信部により定められたことで「有音」です。
わたくし齊藤健一郎は「スマホのシャッター音は不要」の立場です。盗撮への懸念が指摘されていることは重々承知していますが、しかしシャッター音と盗撮という卑劣な行為が必ずしも直結するという根拠はありません。
会議中など「写真を残す」機会が多い中で、あの音が鳴り響くのは、正直困りますよね。スマホが苦手なおばあちゃんが、無音アプリなどを使うことができず、シャッター音を気にしてお孫さんの遊戯会やピアノの発表会で写真を撮れないで困っているというお話も聞きました。
シャッター音は日本の法令で義務付けられているわけではなく、前述の通り「通信事業者の自主規制」です。これについては、実際に使用するユーザーの声と通信事業者の考えのすり合わせで、今後変化していくものだと思うので、今は言及を差し控えますが、実際のところ、静かな空間でシャッター音が鳴り響くことを嫌い、無音アプリをインストールしたり、海外で購入したスマートフォンを日本へ持ち込んで、シャッター音が鳴らない状態で使用したいと考える人もいます。また、海外製品の中には、価格も安価なものがあり、購入を検討する人もいます。
技適マークがない無線機器の使用は電波法違反
前置きが長くなりましたが、ここからが今日のブログの本題です。
日本で流通しているスマホには「技適マーク」がついていますが、海外製品の場合、このマークが付いていないケースもあります。これには注意が必要です。
日本国内でのデータ通信・Wi-Fi(ワイファイ)・Bluetooth(ブルートゥース)の利用は、技適マークを取得した機器のみ認可されています。
技適マークの概要については、以下の総務省WEBを御覧ください。
【参考】技適マークのQ&A
https://www.tele.soumu.go.jp/j/adm/monitoring/summary/qa/giteki_mark/
インターネットを使って海外サイトで物を購入することも当たり前になっている今「知らぬ間に法を犯していた」というケースがありますので、注意喚起も兼ねて、齊藤健一郎事務所から参議院調査室に確認を依頼した内容をご紹介したいと思います。
①海外で購入したスマートフォンには技適マークがありませんが日本で使用した場合に電波法違反になるのでしょうか?
回答→「技適マークなしの無線機を使用すると、電波法違反になる恐れがある。」
②電波法違反になる場合は、根拠となる法令を教えてください。
回答→「電波法110条」※電波法第110条
次の各号のいずれかに該当する場合には、当該違反行為をした者は、一年以下の懲役又は百万円以下の罰金に処する。
一 第四条の規定による免許又は第二十七条の二十一第一項の規定による登録がないのに、無線局を開設したとき。
二以下 (略)③違反した場合、違反の対象者は誰になりますか。
回答→「購入者が罪に問われる可能性がある」④違反を犯した場合、刑罰はありますか。
回答→「電波法110条では、不法無線局を開設・運用した者に対して、1年以下の懲役又は100万円以下の罰金を科している。」⑤海外で購入された(または個人輸入した)スマートフォンを使用して電波法違反で摘発された事例があれば教えてください。
ー 齊藤健一郎事務所と総務委員会調査室とのメール
回答→「個人を逮捕するといった大々的な事件に至った例はない。」
海外で流通するスマホなどの無線機器の購入を検討している方は「技適マークの有無」に十分留意して、購入してくださいね。知らず知らずに法を犯してしまうことがないように、また、セキュリティなどの観点からも、電波法に適合しない無線機器の輸入禁止や販売禁止などの規制を行うことも必要なのかもしれませんが、規制を増やして「国民の自由が失われていくこと」や、増え続ける規制で管理コストが青天井なってしまうことにも留意する必要があり、国会議員として調査を進めている次第です。
総務省さんが反応してくれた?
余談ですが、この確認を依頼した翌日、総務省のXアカウントではこのようなポストがされていました。
なお「技適マーク」は総務省が行なった省令の改正以降は、スマートフォンやタブレット端末の設定画面からディスプレイ上で確認できるようになりました。
日本で多く流通しているiPhoneの場合、設定画面から「一般」-「法律に基づく情報および認証」で表示が確認できます。(iOS バージョン 16.6.1の場合)
試しに一度、ご自身のスマホにも「技適マーク」が付いているか、確認してみてください。